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築地市場跡地に巨人軍の新本拠地? プロ野球の本拠地球場について考えてみました!

2024年5月29日(水)

2018年、東京の築地から豊洲へ卸売市場が移転して以来、築地の跡地はずっと更地になっていましたが、ついに跡地活用の方向性が定まったようです。

それは、プロ野球の巨人軍(読売ジャイアンツ)の本拠地球場を建設する、というものです。

巨人軍の本拠地球場といえば、長らく後楽園球場が使用され、1988年からは隣に建設された東京ドームが使用されてきました。

私も知らなかったのですが、後楽園球場・東京ドームの運営会社である株式会社後楽園スタヂアム(1990年から株式会社東京ドームに改称)は、巨人軍のオーナー企業の読売新聞社とは資本関係は全くありませんでした。つまり、巨人軍はテナントとして球場を使用していたのです。

しかし、2021年に三井不動産がTOB(株式公開買い付け)を実施し、さらに読売新聞グループ本社も資本参加し、現在、株式会社東京ドームの株主は三井不動産8割、読売新聞グループ本社2割となっています。

そして、今年4月、築地市場跡地の再開発事業者に、三井不動産や読売新聞グループ本社など、11社の企業連合が担うことが決定されました。

巨人軍の山口寿一オーナーは、これを以て「巨人軍の本拠地移転を前提としたものではない」との声明を発表していますが、東京ドームは開場から36年が経って老朽化してきていて、巨人軍の本拠地移転先として何年も前から築地市場跡地案が出ていて、しかも今回、東京ドーム株主の三井不動産や読売新聞グループ本社が再開発事業者に決定されたことから、築地市場跡地再開発に巨人軍本拠地が含まれることは確実になったと言っていいでしょう。

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東京ドームが開場した時は、MLB(メジャーリーグ=アメリカのプロ野球)にも匹敵する、国際的に恥ずかしくない球場が日本にもできた、と言われましたが、今や、東京ドームはかなり時代遅れになりつつあります。

MLBの本拠地では、東京ドームのように、完全な室内球場はほとんど消滅し、あっても屋根の開閉式球場になっています。屋根の開かない東京ドームは閉塞感がある、という声が多数のようです。

また、両翼ポールまでは100メートルあるものの、左中間・右中間フェンスの膨らみが全くない構造でホームランが出やすい球場と言われ、観客席も狭く、評判はあまり良くないようです。

私個人としては、むしろ東京ドームの狭さから来る一体感、空気で屋根を膨らませる構造により柱がなく見やすい球場であると思っていて、好きな野球場です。

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私は中学生から高校生くらいまで、MLBに興味を持っていました。

MLBが好きになると、どうしてもアメリカのプロ野球は素晴らしい、日本のプロ野球はダメダメ、という意見に傾き易くなり、私もそうでした。

でも、大人になってみると、昭和の日本のプロ野球もなかなか良かった、と思うようになりました。私がかつて日本のプロ野球の球場がダメダメだと思っていた論点は3つです。

ドーム球場より屋外球場

屋外球場の開放感の下で野球観戦するのは、確かに気分がいいです。

でも、屋外球場は暑すぎたり寒すぎたり、試合途中で雨が降ってきたり、自然環境に左右されてしまいます。そう考えると、室内球場の快適さはメリットだと思ってしまいます。

あと、日本のプロ野球の本拠地は大都市に集中しています。

私は子供の頃、新潟市に住んでいて、プロ野球一軍公式戦の開催は年に1度だけ。だから、東京まで出て観戦に行くのですが、一度、神宮球場に観戦に行った時、雨天で中止になってしまったことがありました。

新幹線を使って野球観戦に行って、中止で帰ってくるのは悲しすぎました。

MLBでは人口50万規模でも本拠地になっている都市がいくつもあり、新潟市も本拠地になっているはずですが、日本では地方都市に住んでいる人がプロ野球の一軍公式戦を観戦するには東京や名古屋、大阪などに行く必要がありますので、雨天中止のない全天候型のドーム球場はありがたいのです。

人工芝より天然芝

観客からすると、どちらが美しく見えるかは、価値観の問題です。私は、どちらもさほど問題はないかな、と思います。

完全密閉のドーム球場では育成の問題から天然芝ができないのは仕方ないものの、日本では屋外球場でも管理がしやすいということもあって、人工芝を使用しているところが多いです。

MLBではかつて、屋外球場でも人工芝を使っているところがいくつかありましたが、現在はほぼ消滅。

人工芝はプレーヤーからはとても評判が悪い、とよく聞きます。天然芝よりグラウンド面が固く、身体への負担が大きいというのです。

でも、よく考えると、野球は道具をたくさん使うスポーツ。これが、競技として世界に普及していない理由の一つとされています。

当然、バットもグラブも、100年前より確実に進化しているのに、未だ天然芝より人工芝の方がいい、というプレーヤーの声は聞いたことがありません。

人工芝もロングパイル型など、進化しているのですが、それでも天然芝を超えていません。今後も人工芝の研究・開発が進んで、天然芝を超える人工芝ができないものかな、と思っています。

ちなみに、地方球場に多い、外野は天然芝、内野は土のグラウンド、というのは好きではありません。

アメリカではマイナーリーグやリトルリーグの球場でも、内野に芝がない球場は見たことがなく、韓国や台湾でも見たことがありません。

日本のプロ野球の本拠地球場では、甲子園球場がこのスタイルですが、いち早く内野にも天然芝を導入してほしいと思っています。甲子園球場には、阪神園芸という、グラウンド整備では国内でも最高レベルの会社があって、内外野天然芝でもしっかり管理できると思っています。

狭い球場より広い球場

野球は変わったスポーツで、さすがにピッチャーのプレートからホームベースまでの長さや、それぞれのベースの塁間の距離は決まっていますが、外野フェンスまでの距離は球場によってまちまちです。

一応、国際規格では、両翼で約99メートル以上、中堅で約122メートル以上というものがあり、平成以降に新設された野球場もほぼこの基準を満たしています。

プロ野球の本拠地球場も、昭和時代に比べ広くなっています。

私も昔の日本の野球場は狭すぎる、広くなれば強肩の外野手と、俊足の走者の競争が見られ、スリリングな展開が多くみられる、と思っていました。

実際、そういう場面が多くなったかもしれませんが、今の野球場は広すぎではないか、と思うようになりました。

とくに日本のプロ野球は、全員が強肩、俊足の選手とは限りません。

昭和の時代、たとえばナゴヤ球場や広島市民球場などはグラウンドが狭くホームランが出やすく、前半で大きくリードしていても、試合後半で逆転の可能性が大いにありました。

それに、昭和の時代は今より、鈍足の選手や、40代のいぶし銀の選手も多く活躍していて、それなりに楽しかったのではないか、と思っています。

プロ野球は、個々の選手が究極のプロフェッショナルなプレーを見せる、という面もありますが、半年のペナントレースの中で、順位や個人成績を相対的に楽しむ、という面もあります。

とくに、現在の日本のプロ野球は、トッププレーヤーはMLBに行ってしまいますので、MLBとは一線を画した、多種多様な選手が活躍する、日本独自のプロ野球リーグを目指してもいいのかな、と感じています。